2027年8月に北海道で開催される「第13回全国和牛能力共進会(全共)」に向けて、沖縄県内の生産者や関係団体による取り組みが始動した。5年に一度、全国の産地が一堂に会してしのぎを削る全共は「和牛五輪」とも称され、上位入賞を果たせば県産和牛の知名度アップや生産振興につながる。近年、県内でも種牛や母牛の改良が進み能力が向上しており、好成績をたたき出せるか注目される。
全共は繁殖牛となる雄や雌の体格、姿形を評価する「種牛部門」と、肉質を審査する「肉牛部門」から成る計八つの出品区のほか、農林高校が対象の特別区がある。出品区によって月齢が決まっており、27年8月に向け今年11月には受精などの準備に入る。
今月9日、南風原町の県家畜改良協会に関係者が集まり、出品対策会議の初会合が開かれた。県内の各改良組合が取り組みを報告したほか、肉牛部門の7、8区に出品する子牛の種雄牛として照百合守、百合安清、美百合の3頭を選出した。
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22年に鹿児島県であった前回全共では、14~17カ月未満の若雌が対象の2区で県勢が4位に当たる優等4席に入り、歴代最高位となった。県家畜改良協会の赤嶺雅敏事務局長は、種雄牛や母牛の改良が進んでいることに触れ「ブランド戦略を打ち立てる上で結果を出すことは大事で、観光産業との相乗効果にもつなげられる」と見据える。
一方、27年の全共は沖縄から最も離れた北海道開催となるため、出品牛を船やトラックで長距離輸送する必要がある。移動中の牛のストレス、体力消耗をいかに軽減できるかが課題だ。赤嶺事務局長は「費用も含め一大プロジェクトになるので、関係機関でしっかり連携したい」と話した。
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