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【識者】ノウハウ蓄積し産業の安定化を バスケW杯経済効果 武田智夫氏(りゅうぎん総合研究所常務)


【識者】ノウハウ蓄積し産業の安定化を バスケW杯経済効果 武田智夫氏(りゅうぎん総合研究所常務) バスケW杯日本代表戦の応援のため、沖縄アリーナに駆けつける人々=2023年8月29日、沖縄市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 FIBAという国際的なスポーツイベントが沖縄で開催された意義は非常に大きかったと考える。延べ観戦者数約12万8500人の3分の2が県外・海外と推計されており、宿泊や飲食、レンタカーなどの産業に需要が生まれ、効果がもたらされたことになる。

 (日本が対戦した)ドイツやフィンランドといった国々からも多くの観戦客があったことは、沖縄について知ってもらう機会になった。沖縄は直行便で結ばれたアジアには地名が知られているが、それ以外の地域には無名の可能性がある。経済波及効果以外の、そうした数字には表れない効果という点でも大きかったのではないか。

 大会を開催できた実績やノウハウを蓄積して、異なる大会競技であっても迎えられる体制が今後、県や関係団体に求められる。こうしたイベントを、例えばスポーツキャンプのように観光のオフシーズンにも開催できれば、年間を通じた観光関連産業の安定や、所得上昇につなげられる可能性がある。