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琉銀頭取に就く島袋氏「新規事業を成功に導く」 川上氏、市場部門の手腕に期待 


琉銀頭取に就く島袋氏「新規事業を成功に導く」 川上氏、市場部門の手腕に期待  記者会見で質問に答える琉球銀行の新頭取となる島袋健専務(左)。右は川上康現頭取=22日午後、那覇市東町(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 新たな役員体制を発表した琉球銀行の川上康頭取は22日の記者会見で、島袋健専務に頭取を引き継ぐ理由に金融環境の変化を挙げた。日銀のマイナス金利政策解除の見方が強まり「今まで抑えめだった有価証券運用が非常に重要なミッションになる」(川上氏)として、同行の証券国際部での経験があり、市場部門に精通する島袋氏の手腕に期待した。島袋氏は「新しいことに挑戦する精神を引き継ぐ」と語った。

 川上氏は日銀が2016年にマイナス金利政策を導入した翌年に頭取に就いた。銀行の伝統的な貸し出しや有価証券の運用収益が先細る中で、新たに企業の合併・買収(M&A)など法人関連、相続を中心とする個人関連、カード関連の三つを柱とする手数料ビジネスを強化した。これらが一定の成果を挙げ、川上氏は「私のミッションはある程度果たせた」と説明した。島袋氏について同行幹部随一の有価証券運用の知見があり、調整能力もたけていると評価した。

 島袋氏が策定を主導し、23年度から始まった同行の中期経営計画では、不動産運用や広告宣伝の新会社設立検討など新事業の展開を掲げている。島袋氏は「新規事業を成功に導くための思いを集中させるのが使命だ」と強調し、日銀の金融政策に関しては「『金利のある世界』をどう業務に織り込み、お客さまにご納得いただくかが新しいチャレンジになる」と述べた。

(當山幸都)