有料

沖縄県内20市町村で住宅不足、その理由は? 沖縄公庫と琉大生が共同研究


沖縄県内20市町村で住宅不足、その理由は? 沖縄公庫と琉大生が共同研究 県内の住宅確保に関する共同調査をまとめた琉球大学地域創造学部の学生らと沖縄振興開発金融公庫の職員ら=13日、那覇市内
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 沖縄振興開発金融公庫と琉球大国際地域創造学部は13日、県内の住宅確保の現状と課題に関する共同研究の結果を発表した。民間事業者による新設が少ないことによる住宅不足や、家賃高騰などの居住環境への影響といった地域ごとの課題を整理し、公民連携による住宅整備や国の支援制度活用などを提言した。

 沖縄公庫の地域連携情報室と同大の獺口浩一教授、獺口ゼミ生6人が共同で実施した。

 県内41のうち34市町村が回答したアンケート調査で、住宅不足を認識しているのは20市町村と過半数を占めた。本島南部を除く地域で不足感が見られる。だが、住宅不足への対策については「特に実施していない」との回答が半数近くを占めた。

 本島北部や離島地域では、住宅不足の原因として民間事業者のアパート建設が少ないことが挙げられている。この課題に対し、空き家を活用した定住促進の制度を生かし対策を進める国頭村や、一括交付金を活用し民間事業者による住宅整備を進める座間味村の事例を紹介した。

 一方で、本島中南部や宮古島、石垣の両市では、住宅が不足していなくても地価上昇や家賃高騰で居住環境に影響が生じている課題が浮かび上がった。県内の課題を踏まえて、先進事例として空き家活用や民間資金を活用した住宅整備、国の制度活用などに取り組む九州3県の自治体を取り上げ、同様の対応が県内でも必要だと提言した。

 ゼミ生の西本義朗さん(4年)は、住宅改修や家賃の補助がある国の住宅セーフティーネット制度が県内で十分活用されていないとして「自治体にも負担は生じるが考えていく必要がある」と指摘した。

 (當山幸都)