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県内10期ぶり悪化 国内観光客伸び悩み


県内10期ぶり悪化 国内観光客伸び悩み
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日銀那覇支店が1日発表した3月の県内企業短期経済観測調査(短観)は全産業の業況判断指数(DI)がプラス35で、昨年12月調査から7ポイント悪化した。悪化は2021年9月以来、10期ぶり。全国旅行支援終了の反動減や旅行費用の高まりから個人客を中心に国内観光客が伸び悩んだほか、自動車の一部メーカーの不正問題などが影響した。
 DIは前回調査の見通し(プラス32)ほどは悪化しておらず、企業の売り上げや経常利益、設備投資の23年度計画は前年度を上回る水準にある。小島亮太支店長は「業況DIが下がったこと自体を景気悪化の前兆として捉えなくていいのではないか」と述べた。雇用人員の過不足を示すDIはマイナス58で横ばいの「不足」超だった。人材確保が進んだ調査先と、不足感が強まった調査先とがあり「人材獲得競争は熾烈(しれつ)を極めている」と指摘した。
 小島支店長は、人手不足への対応も含め、飲食・宿泊の業種などで賃上げの原資を確保するためサービスの値上げを公表する企業が出てきており「これまで明確には見られなかった新しい動きだ」と説明。日銀のマイナス金利政策解除が県内の物価と賃金の好循環に与える影響については「今のところは水を差すとか、そういうことではないと思う」と述べた。 (當山幸都)