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楽天G、金融事業統合へ 10月めど、銀行や証券


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 楽天グループは1日、金融事業の再編に向けた協議を開始すると発表した。10月をめどに銀行や証券、クレジットカード、QRコード決済、投資運用、保険などを手がける傘下の各社を統合する方向で検討する。楽天グループは携帯電話事業の巨額損失が響き、連結純損益は5年連続の赤字に陥っている。稼ぎ頭の金融事業の連携を強化し、赤字脱却を目指す。
 複数の再編案を検討しており、楽天銀行に楽天証券ホールディングス(HD)、楽天カードといった他の子会社を一本化する案が有力とみられる。楽天グループは楽天銀の株式を約49%保有している。楽天銀は昨年4月に東京証券取引所のプライム市場に上場した。金融事業の再編後も楽天銀の上場は維持する見通し。再編が実現すれば、これまで目指していた楽天証券HDの上場は見送る。
 楽天グループの2023年12月期連結決算は、純損失が3394億円だった。携帯事業の営業損益は3375億円の大幅赤字となった。一方、楽天銀はネット銀行の最大手で、約1500万の口座を持つ。楽天証券も業界首位のSBI証券とともに、ネット証券の2強とされる。