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15期ぶり需要回復 日銀推計、好循環追い風か


15期ぶり需要回復 日銀推計、好循環追い風か 需給ギャップの推移
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 日銀は3日、2023年10~12月期の日本経済全体の需給ギャップがプラス0・02になったとの推計を発表した。20年1~3月期以来、15四半期ぶりに需要が供給力を上回った。企業活動が活発化していることを示しており、勢いが続けば賃金と物価がそろって上がる経済の好循環に追い風となりそうだ。
 ただ足元では人手不足が深刻で、供給側に制約がかかっているとの指摘もある。今年1~3月期は、能登半島地震や認証不正問題を起こしたダイハツ工業の生産停止の影響なども見込まれ、今回の流れが持続するかどうかに不透明感も残る。
 日銀は、工場の稼働や労働力などから需要に対する供給力の過不足を分析している。需要が回復して供給力を上回れば、投資や雇用が増えて物価や賃金が安定して上がりやすくなる。
 日銀は今年3月、2%の物価安定目標が「持続的に実現することが見通せる」として、マイナス金利政策の解除を決めた。