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景気判断7地域下げ 日銀4月 九州・沖縄も、物価高受け


景気判断7地域下げ 日銀4月 九州・沖縄も、物価高受け 各地域の景気判断
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 日銀は4日、4月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全国9地域のうち、東北、北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、九州・沖縄の7地域の景気判断を引き下げた。残りの北海道と四国は据え置いた。物価高を受けた節約志向の強まりや暖冬で個人消費が鈍り、認証不正問題を起こしたダイハツ工業など自動車大手の出荷停止も響いた。
 7地域の引き下げは、2022年4月に中国以外の8地域を引き下げて以来となる。3万点の部品で造る自動車は産業の裾野が広く、幅広い地域に影響が及んだ。
 各地の景気判断は、この日の日銀支店長会議で報告された。日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)でも出荷停止の影響で大企業製造業の景況感が4四半期ぶりに悪化した。足元では円相場が歴史的な安値水準にあり、物価高が加速すれば消費が腰折れする恐れもある。
 ただ、出荷停止と暖冬の影響は一時的とみている。24年春闘では大企業を中心に高水準の賃上げが相次いだ。
 日銀は景気が回復基調にあるとの見方を崩していない。
 北陸は1月11日発表の前回は「能登半島地震の影響を注視する必要がある」として据え置いたが、今回は地震が個人消費や生産の一部を下押ししていることなどを受けて判断を引き下げた。
 残る8地域は、関東甲信越と東海、九州・沖縄が「緩やかに回復している」、中国は「緩やかな回復基調にある」とした。
 北海道と四国は「持ち直している」、東北と近畿は「緩やかに持ち直している」とした。
 項目別では、生産は北陸、関東甲信越、東海、近畿、中国、九州・沖縄の6地域が下方修正し、残り3地域は据え置いた。個人消費は東北、北陸、関東甲信越、近畿、九州・沖縄の5地域が引き下げ、残り4地域は据え置いた。
 個人消費についてはインバウンド(訪日客)需要は旺盛だとの見方も示された。