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日米欧でデジタル通貨決済 新たな国際システム構築へ 実証実験、国内大手行も


日米欧でデジタル通貨決済 新たな国際システム構築へ 実証実験、国内大手行も 国際決済システムの実証実験のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国際決済銀行(BIS、本部スイス)は3日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の将来的な普及を見据え、新たな国際決済システムの構築に向けた実証実験を始めると発表した。日銀や米欧などの中銀と連携し、処理速度を高めた新システムで円滑な貿易決済を目指す。民間の金融機関を交えた実験とし、三菱UFJ銀行など日本の大手行も参加を検討する。
 国際決済は現在、ベルギーに本部を置く「国際銀行間通信協会(SWIFT)」が担当。200以上の国・地域の金融機関1万1千社以上が利用し、1日平均約4200万件の国際送金を処理している。コルレス銀行と呼ばれる中継銀行を挟むため、決済完了に数日程度かかる。新システムでは貿易などでの決済迅速化やコスト低減効果が期待される。日銀によると、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォーム上でデジタル通貨をやりとりする仕組みを検討するという。
 日銀のほかに米ニューヨーク連邦準備銀行、英イングランド銀行、スイス国立銀行、フランス銀行、韓国銀行、メキシコ銀行が参加する。BISの担当者は「単に技術をテストするだけでなく、特定の運用や規制、法的な条件の下で(実際に)事業を行う金融機関とともに実施する」としている。
 三菱UFJ銀行は参加を前向きに検討しているとし「詳細を確認する必要があるが、国際送金について大きな可能性を秘めていると考えている」とコメントした。
 三井住友銀行や、みずほ銀行を傘下に持つみずほフィナンシャルグループも参加の是非を検討する。