【名護】医薬品製造を手掛ける武田薬品工業(大阪)は15日、名護市の県立北部農林高校にバニラの苗15本を贈った。県内のバニラ栽培の活性化と、地域経済への貢献が目的。同校の園芸工学科生物工学コース3年生の生徒8人が贈呈式に参加した。
同社は1933年、薬用植物の基礎研究を図るために京都薬用植物園を開設し、絶滅危惧種に指定された植物の保護などに取り組んできた。
今回託されたバニラ苗は、戦前に国内で栽培されていた貴重な品種という。沖縄への贈呈は初めて。
北農高は今後、生徒を主体に沖縄に適したバニラの栽培方法と加工技術を確立し、県内への普及を目指す。コース長の花城拳斗さん(17)は「県産バニラが身近なものになるように頑張りたい」と意気込んだ。
30年にわたりバニラの育成・研究に携わってきた京都薬用植物園の坪田勝次課長代理は「沖縄でバニラといえば北農高だと言われるようになってほしい」と激励した。
(玉寄光太)