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車いす、ベビーカーの貸し出し過去最多 沖縄旅行「乳児や祖父母と一緒に」増える


車いす、ベビーカーの貸し出し過去最多 沖縄旅行「乳児や祖父母と一緒に」増える
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 高齢者や障がい者への情報発信サービスを展開するNPO法人バリアフリーネットワーク会議は1日、2023年度に県内で貸し出した車いすは前年度比58.6%(394件)増の1066件、ベビーカーは同43.4%(395件)増の1305件で、いずれも過去最高値になったと発表した。コロナ禍から観光需要が回復し、乳児や祖父母などと一緒に旅行する観光客が増えた。外国客のニーズも捉え、コロナ禍前を上回る伸びで、親川修代表は「(全ての人が安心して楽しめる)ユニバーサルツーリズムの重要性が増している」と分析した。

 那覇空港内や那覇バスターミナル内に設ける観光案内所への問い合わせ件数も、前年度比32.9%(3766件)増の1万5208件となった。

 23年度から新たに那覇空港国際線にも案内所を設けたことで、外国客の利用が増加した。外国客への貸出件数は、車いすが193件(全体の18.1%)、ベビーカーが149件(同11.4%)だった。「外国客は特に預け入れ荷物の重さを気にして、沖縄に着いてから借りる人も多い」という。利用者からは「その分、お土産をたくさん買えてうれしい」との声も寄せられている。

 バリアフリーネットワーク会議は07年に国内で初めて空港内での障がい者高齢者専用の観光案内所を那覇空港内に開設した。20年から福岡空港でも同サービスを提供し、23年度の同空港での問い合わせ件数は前年度比約2.3倍となるなど、需要が増している。

 県内では現在、那覇空港国内線、国際線、那覇バスターミナルの3カ所で車いす(1泊2日で1700円)とベビーカー(同千円)を中心に、車いす利用者向けの入浴機材や、ビーチなどで使える水陸両用の車いすなどを貸し出している。今年の秋ごろには国内主要空港や県内離島地域でもサービスを拡充させる予定だ。

 (與那覇智早)