【ブリュッセル共同=仲嶋芳浩】日米欧が、インターネット通販の越境取引で広がる偽ブランド品などの模倣品に対し、連携して対策を強化する方針であることが11日、関係者への取材で分かった。経済協力開発機構(OECD)が中心となり、米アマゾン・コムや楽天グループなどと協力、悪質な事業者による出品を防ぐための指針を2025年にも策定することを目指す。
模倣品は中国など新興国で生産・出品されるケースが多い。先進国主導のOECDが新興国のネット通販事業者に圧力をかけるのは困難だが、関係者は「運営事業者を巻き込んで対策を検討するのは意味がある」としている。
OECDは作業部会を設け、アマゾンや楽天グループといったネット通販大手や有識者を交えて22年冬から検討を重ねてきた。加盟国は今年4月から政府レベルで議論を開始した。
OECDは指針により、通販サイトの運営事業者に対策強化を促し、模倣品の根絶に向けて各国政府が法整備を進めることも期待する。対策では、通販サイトの運営事業者に出品者の本人確認を厳格化することを要請。権利を侵された企業が法的手段に訴えやすくする見通しだ。
通販サイトには模倣品を通報する入力フォームを設けるなどしてサイト運営者が迅速に把握できる仕組みを求めることも検討している。
OECDは、模倣品の取引は19年時点で世界の貿易額の2・5%を占めると推定。狙われるのは靴や衣類、かばん、化粧品など幅広い。
企業が本来得られるはずの利益を奪うだけでなく、安全基準を満たさない医薬品を服用して健康を害したり、電気製品を使って火災が起きたりするなど消費者への被害も懸念されている。
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日米欧 模倣品対策で連携 越境通販 OECD、指針策定へ
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琉球新報朝刊
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