有料

守りから攻めの経済に 経済同友会 黒瀬氏が講演


守りから攻めの経済に 経済同友会 黒瀬氏が講演 日米の景気指標から「日本の企業が攻めに出る時期に来ている」と語る黒瀬浩一氏=13日、那覇市のノボテル沖縄那覇
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄経済同友会は13日、那覇市のノボテル沖縄那覇で定例の講演会を開いた。りそなアセットマネジメントチーフストラテジスト、チーフエコノミストの黒瀬浩一氏が登壇し、世界の経済情勢について、国内や米国の景気指標が好調なことを説明した上で「リーマンショックやコロナで人件費や設備投資を抑えるのは仕方なかったが、日本の企業が守りから攻めに出る時期に来ている」と述べ、積極的な設備投資や賃上げを推奨した。
 黒瀬氏は「今後の世界の経済・投資・経営環境について 地政学的チャンスと物価正常化で日本経済再生」と題し講演した。日本経済は約30年前の日米貿易摩擦に端を発した円高を背景に、安い海外商品との競合で賃金や物価の停滞が続いたが、このところの円安でその傾向が変化してきたと説明。物価上昇を好機と捉え、価格転嫁や賃上げにかじを切る時期だと強調した。現状の円安は公平な水準から乖離(かいり)しており、長期的には適正水準に向かうとの見方も示した。
 「地政学」では11月の米大統領選でトランプ氏が当選した場合、中国との対立が激しくなり、米国は自陣営にいる日本の国力強化を後ろ盾するようになるとの見方を示した。中国との対立を意識する米国が今後ロシアと接近する可能性も指摘した。 (島袋良太)