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権限ある規制機関提言 金融庁 損保代理店の不正防止


権限ある規制機関提言 金融庁 損保代理店の不正防止 損害保険業界改革の報告書案ポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 損害保険業界の改革を議論する金融庁の有識者会議は7日の会合で、不祥事の再発防止に向けた報告書案を示した。不正の温床となった保険代理店への監督強化に向け、代理店を処分する権限を持つ自主規制機関を業界内に新設するよう提言した。損保各社による代理店への過度な便宜供与の解消も明記し、保険契約者を最重視した事業運営の徹底を求めた。
 中古車販売大手ビッグモーター(東京、BM)の保険金不正請求や、企業向け保険のカルテルでは、法令順守の欠如や横並びを意識する慣行が問題視された。7日の会合では出席者から「業界が自立的に取り組みを進めることが極めて重要だ」との声が上がった。
 損保業界には現在、第三者が代理店を客観的に評価するような仕組みがない。損保各社は代理店を監督する立場だが、BMのような大規模代理店との関係維持を優先するあまり、保険金支払いの査定が甘くなるなど力関係がゆがんでいた。
 例えば証券業界では、日本証券業協会が自主規制機関に定められ、証券会社の監査や処分をする機能を持つ。損保でも新機関が代理店を評価し、不正があれば処分する体制構築を目指す。金融庁は法的な位置付けを明確にするため、保険業法の改正も視野に入れる。