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企業倒産11年ぶり千件超 5月 ゼロゼロ融資で苦境に


企業倒産11年ぶり千件超 5月 ゼロゼロ融資で苦境に 全国企業倒産件数の推移
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 東京商工リサーチが10日発表した5月の全国企業倒産(負債額1千万円以上)は、前年同月比42・9%増の1009件となり、2013年7月以来約11年ぶりに単月で千件を超えた。新型コロナウイルス対策で実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済に行き詰まった事例が目立つほか、物価高や人手不足が経営を圧迫した。24年通年で1万件に達する可能性が出てきた。
 ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は67件で、これまで最多だった24年3月と並んだ。コロナ禍で資金繰りを支えたが、返済不能に陥ったケースが少なくない。物価高が理由の倒産は87件となった。円安で原材料やエネルギーのコストが膨らんだが、十分に販売価格に転嫁できない中小企業が苦境に立たされている。賃上げによる人件費上昇や、従業員を確保できないことが理由の倒産も急増した。
 地域別では、栃木や広島など34都道府県が前年同月を上回り、8県では減少した。沖縄(4件)など5県は同数だった。
 産業別では10の区分全てで増加し、最多は「サービス業他」の327件。「建設業」が193件で続いた。