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株主総会で認証不正謝罪 豊田織機、グループで先陣


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 豊田自動織機は11日、愛知県高浜市で定時株主総会を開いた。伊藤浩一社長は自動車用エンジンなどの認証不正問題で「皆さまに多大なご迷惑をおかけして、誠に申し訳ない」と謝罪。トヨタ自動車で副社長を務めた寺師茂樹氏ら7人を取締役に選任する議案を可決し、寺師氏は代表権のある会長に就いた。
 トヨタグループ主要企業の先陣を切る形となった総会で、伊藤氏は組織改革への決意を表明。株主に再発防止策の実効性を問われると「形だけで終わらせないための本気の取り組みを進めていく」と応じた。トヨタの技術トップを務めた寺師氏の起用には、電気自動車(EV)の電池開発などで連携を深める狙いがあるとみられる。日銀の名古屋支店長や理事を歴任した清水季子氏も取締役に就いた一方、トヨタ創業家出身の豊田鉄郎会長は退任した。
 総会には株主253人が出席。グループの責任者として各社の総会に参加すると明言していたトヨタの豊田章男会長は出席を見送った。トヨタは「総会は株主との年に1度の対話の場であり、自身が出ることで変化が起きることは得策でない」と説明した。
 豊田織機では2023年3月以降、フォークリフトや建設機械の産業機械用エンジンと、自動車用エンジンの出力試験などで不正が判明。トヨタの「ランドクルーザー」などの生産や出荷が一時止まる事態となった。
 トヨタグループでは今月下旬にかけて集中的に総会が開かれる予定。