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円下落、一時161円台 政府の再介入に警戒感


円下落、一時161円台 政府の再介入に警戒感 円相場の推移(対ドル)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 28日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=161円20銭台を付けた。1986年12月以来、37年半ぶりの円安ドル高水準を更新した。4月から5月にかけて政府・日銀が円買い介入を実施したが、再度の円安進行で市場では介入への警戒感が高まっている。
 外国為替市場の円相場は今月26日に一時、1ドル=160円台後半を付け、その後も円安に歯止めがかからない。米経済が堅調なことから米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げするとの観測が後退している。
 一方、日銀は利上げを含む金融政策の正常化を慎重に進めているため、金利差は当面縮まらないとの見方から円が売られ、ドルが買われている。
 東京市場の午後4時現在は前日比38銭円安ドル高の1ドル=160円92~95銭。ユーロは49銭円安ユーロ高の1ユーロ=172円10~20銭。
 28日は午前中に日米の金利差や輸入企業による実需のドル買いなどで円安が進行。鈴木俊一財務相は閣議後記者会見で「過度な変動に対しては適切な対応を取る」と述べ、市場をけん制した。
 市場では「財務相の発言や介入への警戒感で、円が買い戻された」(外為ブローカー)との声があった。