有料

古宇利島「人工浮島」計画 沖縄JTB白紙へ 地元漁協が議案否決


古宇利島「人工浮島」計画 沖縄JTB白紙へ 地元漁協が議案否決 東側海域に人工浮島の設置が検討されていた今帰仁村の古宇利島=2023年11月
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 今帰仁村古宇利島の沖合に人工浮島(ポンツーン)を設置する沖縄JTB(桂原耕一社長)の計画を巡り、共同漁業権を有する一部の漁業協同組合が総会で同計画の事業化に関する議案を否決したことが28日までに、複数の関係者への取材で分かった。事業化が認められなかったことで同計画は白紙に戻った形だ。

 ポンツーンの設置場所となる古宇利島東側の海域は、今帰仁、羽地、名護、本部の4漁協に共同漁業権が設定されており、海面利用や浮島を固定するための岩礁破砕に関して、漁協側の同意が必要となる。事業化には4漁協全ての同意を得ることが事業化への前提となっていた。

 同計画を巡っては、地元の古宇利区が4月に開いた区民総会で、自然環境や生態系に重大な影響を及ぼす恐れがあることや、設置場所周辺がタコ漁や刺し網漁の漁場になっていることなどを理由に反対決議を賛成多数で可決している。

 沖縄JTBは本紙の取材に対してコメントを控えるとした。 

(金城大樹、與那覇智早)