【今帰仁】JTB沖縄が2026年の開業を目指し、今帰仁村古宇利島の東側海域に人工浮島(ポンツーン)を設置する計画を立てている。関係者によると、マリンレジャー施設として活用することが目的。25年前後に開業予定の北部テーマパークと連動した事業展開を目指しており、年間2万人以上の利用者数を見込んでいる。同社は10月下旬に漁協関係者を対象とした説明会を開いた。
実現すれば、観光用のポンツーン設置は国内初となる。同社は石垣市で事業化を目指したが、断念した経緯がある。今回設置を目指す古宇利島東側海域は、今帰仁、羽地、名護、本部の4漁協に共同漁業権が設定されており、海面利用や浮島を固定するための岩礁破砕に関して、各漁協の同意も必要となることから、同意を得られるかが事業化の前提となる。
JTB沖縄の担当者は、古宇利島の人工浮島の構想について認めた上で「現時点では、何も伝えることはできない」と回答。「地域の皆さまと連携し、持続可能な事業を心がけていく」と述べるにとどめた。
漁協関係者によると、JTB沖縄は今年の4漁協の総会で、事業化の了承を得る議案の提出を目指していた。しかし、十分な説明がないことに対し、一部の漁協で組合員から不満も上がっていた。議案が一度否決されると提案できなくなることから、説明を優先させた形となった。24年の総会での了承を目指し、複数回にわたって説明会を開く意向を示しているという。
10月下旬の説明会で、JTB側はシュノーケルやダイビングなどのレジャー拠点とすることなど、事業計画を説明した。参加者からは廃水処理や、利用者を運ぶ方法などについての質問が上がったという。
(池田哲平)