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全国景況感 足踏み 6月短観 非製造業、4年ぶり悪化


全国景況感 足踏み 6月短観 非製造業、4年ぶり悪化 日銀短観の主な結果
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日銀は1日、6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業が円安と値上げの効果で3月の前回調査から小幅に改善し、大企業非製造業は高水準ながら4年ぶりに悪化した。内閣府が発表した1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)は再改定でマイナスが拡大。日本経済はけん引役を欠き、全体として足踏み状態にあることを映した。
 短観で製造業のDIは2ポイント上昇のプラス13と2四半期ぶりに改善した。原材料高に伴う値上げは繊維や紙・パルプを中心に進んだ。認証不正問題による生産停止の影響がダイハツ工業で和らぐ一方、トヨタ自動車やマツダに広がったことがDI改善の足を引っ張った。
 非製造業は1ポイント下落のプラス33で、悪化は2020年6月以来だった。小売業を中心に円安が裏目に出て、輸入する原材料費が増えた。人件費の高騰も影響した。
 中小企業の製造業のDIは横ばいのマイナス1、非製造業は1ポイント下落のプラス12だった。
 大企業の3カ月後の先行きは、製造業が自動車生産の回復を見込んで1ポイント上昇のプラス14、非製造業は6ポイント下落のプラス27を予想した。
 事業計画の前提となる24年度の想定為替レートは、回答した企業の平均で1ドル=144円77銭と、3月調査から3円ほど円安に修正された。
 雇用人員の過不足感を示す指数は製造業がマイナス18、非製造業はマイナス39だった。設備投資額は製造業が23年度比18・4%、非製造業は7・0%それぞれ増えた。