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円下落、一時161円74銭 大統領選影響 円売りドル買い


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=161円74銭を付けた。1986年12月以来、37年半ぶりの円安ドル高水準を更新した。米国で共和党のトランプ前大統領が大統領選に勝利するとの見方を支えにインフレ観測が高まり、日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いが膨らんだ。
 市場は、減税策を掲げるトランプ氏が大統領に返り咲けば米長期金利には上昇圧力が強まる一方、日銀は急ピッチの追加利上げには慎重だとみており、低金利の円を売って高金利で運用に有利なドルを買う取引が優勢だった。
 2日の東京株式市場で日経平均株価が4万円台を回復したことも、比較的安全な資産とされる円の売りを促した。
 東京市場の午後5時現在は前日比63銭円安ドル高の1ドル=161円64~66銭。ユーロは08銭円安ユーロ高の1ユーロ=173円24~28銭。
 他方で、市場では「政府・日銀による為替介入への警戒感が、円売りの重しとなっている」(外為ブローカー)との声も聞かれた。このところ円安ドル高の流れが続いていることを受け、投資家がいったん利益を確定させるために円を買ってドルを売る動きもあったという。