有料

企業倒産22.0%増4931件 上半期 10年ぶり高水準


企業倒産22.0%増4931件 上半期 10年ぶり高水準 上半期(1~6月)の倒産件数の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東京商工リサーチが5日発表した2024年上半期(1~6月)の全国の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比22・0%増の4931件で、物価高などを背景に14年(5073件)以来10年ぶりの高い水準となった。増加は3年連続。うち人手不足を要因とする倒産は約2・2倍の145件に達し、調査を始めた13年以降の上半期で最多だった。
 仕入れコスト増加など物価高が要因の倒産は23・4%増の374件だった。調査担当者は「円安進行で価格転嫁が追いつかない企業はさらに増えそうだ」と分析。年間で1万件を突破する可能性もある。株式市場では円安を追い風に大企業製造業がけん引役となり、日経平均株価も5日に史上最高値を一時更新しているが、倒産は上半期の件数の88・4%を従業員10人未満の企業が占め、明暗が浮き彫りとなった。
 産業別では、時間外労働の規制強化による「24年問題」が直撃した建設業や運輸業の件数増加が目立った。建設業は資材の高騰もあり20・6%増の947件だった。
 倒産の要因別では、新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化に伴う倒産も327件と多かった。
 負債総額は22・8%減の7210億円だった。昨年4月に倒産したユニゾホールディングス(負債総額1261億円)のような大型案件がなかったことが要因。都道府県別の件数は埼玉や広島、福岡など35都道府県で増え、岐阜や熊本など10県で減少、青森と三重の2県は横ばいだった。
 上半期の倒産はリーマン・ショック後の不況で09年には8169件に上ったが、その後は減少が続き、コロナ禍でも手厚い公的支援によって低水準に抑えられていた。
 同時に発表した6月の倒産件数は前年同月比6・5%増の820件だった。増加は27カ月連続。