有料

年金運用黒字 23年度45兆円 過去最高、株価上昇で


年金運用黒字 23年度45兆円 過去最高、株価上昇で 年金積立金の運用実績
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 公的年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5日、2023年度の運用実績が過去最高となる45兆4153億円の黒字だったと発表した。黒字は4年連続となった。国内外の株価の上昇や、円安による外貨建て資産の評価額アップが影響した。積立金は長期で運用しながら少しずつ高齢者の年金給付に充てている。
 23年度の運用利回りは22・67%。市場運用を始めた01年度以降の累積収益額は153兆7976億円、23年度末の運用資産額は245兆9815億円でいずれも過去最高だった。
 GPIFはリスクを抑えるため、積立金を四つの資産に分散して運用している。23年度の実績を資産別で見ると、国内株式は19兆3928億円、外国株式は19兆2952億円、外国債券は7兆8694億円でいずれも黒字を確保した。国内債券のみ1兆1421億円の赤字だった。
 資産全体の運用実績を四半期ごとに見ると、赤字は23年7~9月期のみで、24年1~3月期は21兆3863億円の黒字となり四半期ベースの過去最高を記録した。
 記者会見した宮園雅敬理事長は「市場が好調に推移して収益が確保できた」と述べた。