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供給網強化へ共通基準 G7、過剰生産に連携対処


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ビラサンジョバンニ共同】イタリア南部ビラサンジョバンニで16日から開かれた日米欧の先進7カ国(G7)貿易相会合は17日午後(日本時間17日夜)、閉幕した。中国が貿易制限で「経済的威圧」を強める中、共同声明は、サプライチェーン(供給網)強靱化(きょうじんか)に向け、重要物資の調達で価格以外の要件も考慮した共通基準の策定を進める方針を表明。中国の電気自動車(EV)などを念頭に「過剰生産は有害だ」と非難し、市場をゆがめる動きに連携して対処する意向を示した。
 会合では、経済安全保障での協調が重要なテーマとなった。半導体部品などを念頭に、特定の国への調達依存度を減らし、供給網を強靱化することを確認。需要と供給に基づかない中国によるEVの過剰生産など、非市場的な政策や慣行は「自由で公平なルールに基づく国際経済秩序を損なうだけでなく、新興国の持続可能な発展を妨げる恐れがある」と批判。EVなどに使われる重要鉱物は生産や加工が中国など特定の国に集中しており、供給元を多様化するためには、精製施設の建設などに投資が必要となる。共同声明では、持続可能な供給網を構築するため「民間企業と積極的に協調する」と宣言した。