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為替介入、今後も辞さず 神田財務官 回数制限なし


為替介入、今後も辞さず 神田財務官 回数制限なし インタビューに答える財務省の神田真人財務官=17日午後、財務省
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 財務省の国際部門トップを務める神田真人財務官は17日、共同通信のインタビューに応じ、歴史的な円安ドル高水準となっている外国為替市場の円相場について「投機による過度な変動があれば、私としては適切に対応していくしかない」と今後も為替介入を辞さない姿勢を強調した。介入の回数や頻度に制限はないとの認識も示した。
 神田氏は、為替相場の変動にはさまざまな要因があるとした上で「一番大きいのは投機だ」とした。市場では11日と12日に政府・日銀が円買いドル売りの介入に踏み切ったとの観測が強まっている。政府は介入の有無を明らかにしていないが「各国当局とは極めて緊密に意思疎通しており、国際合意も順守しているので、各国からの批判は出ていない」と改めて強調した。
 財務省は4~5月に計9兆円を超える為替介入を実施したことを明らかにしている。神田氏は「過度な変動をかなり抑制することができた。有効だったと考えている」と語った。
 円安進行の影響について「輸入価格が上昇すれば企業や消費者には負担だ。ゆっくりであれば適応できるが、急に変われば家計や企業は対応できない」と懸念を示した。
 介入の原資に限りがあるとの見方に対しては「外貨準備高が原資の基本であることは事実だが、必ずしもそれに限られるものではない」とした。6月に先進7カ国首脳会議(G7サミット)でロシアの凍結資産を活用し、新たなウクライナ支援を行うことで合意した。神田氏は「諸条件が整えば日本も融資を行う考えだ」としたが、「具体的なことは申し上げられない」と述べるにとどめた。
 神田氏は7月末に財務官を退任する。