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円安で物価2.8%上昇 24年度 内閣府、見通し修正


円安で物価2.8%上昇 24年度 内閣府、見通し修正 実質GDP成長率と消費者物価指数の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 内閣府が19日の経済財政諮問会議で示した試算によると、2024年度の消費者物価指数(生鮮食品を含む総合)は前年度比で2・8%上昇する。円安による輸入物価の押し上げを反映し、1月に閣議決定した前回見通しから0・3ポイント上方修正した。実質国内総生産(GDP)成長率は自動車の認証不正問題を受け、0・4ポイント低い0・9%増とした。物価高が家計の重荷となり、個人消費を冷え込ませる構図が続きそうだ。
 同時に総務省が発表した6月の消費者物価(生鮮食品を除く)は、前年同月比2・6%の上昇。伸び率が2カ月連続で拡大した。岸田文雄首相は会議で「民需主導の回復を確実に実現していくためには、円安などに伴う物価上昇の影響に注意が必要だ」と述べた。
 物価の見通しは、円安ドル高が一気に進んだ6~7月の為替レートを基に算出した。政府は物価高対策として、いったん終了した電気・ガス料金の抑制策を8~10月の使用分で再開し、ガソリンなどの燃油価格を抑える補助金は年内いっぱい継続する。試算ではこの対策で24年度の物価を0・5ポイント程度押し下げるものの、円安が響く。25年度の物価上昇率は2・2%を見込んだ。
 24年度のGDP成長率を下方修正したのは、認証不正による生産・出荷停止で自動車が購入しづらくなり、24年1~3月期のGDPがマイナス成長だったため。項目別では、長引く物価高による買い控えが目立つ個人消費が前回見通しから0・7ポイント低い0・5%増と見込んだ。