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「海洋熱波」で猛暑に 気象庁など、昨夏・北日本を分析


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 気象庁や東京大などのチームは19日、北日本で昨年の夏、歴代1位の暑さとなった理由は、三陸沖などの海面温度が記録的に高い「海洋熱波」が原因だったとする分析結果を英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した。高温により、海面上の低い位置にできる雲が少なくなって日射が増したほか、水蒸気が増えて温室効果が強まった。
 中村尚東京大教授は「雲と海面水温が互いに作用し合っていた」と話す。
 チームによると、暖かい黒潮が北上し、北海道沖にかけて海洋熱波が発生。海面付近の大気が不安定となり、通常夏の北日本近海に多い霧などの「下層雲」が、場所によっては約20%減少した。
 その結果、地表に届く日射量が増え、海面水温がさらに上昇。昨夏の海面水温は、平年比で4度ほど高くなった。海がさらに大気を加熱した上、海からの水蒸気が増え、夜間でも気温が高い状態が維持されたとみられる。