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訪日客 入国手続き短縮 政府、年間3500万人視野


訪日客 入国手続き短縮 政府、年間3500万人視野 訪日客の拡大策の主なポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は19日、日本を訪れる外国人客の拡大に向け、入国手続きの時間を短縮する新制度を2025年1月に導入する方針を明らかにした。地方を訪れてもらうため、高級リゾートホテルの誘致を含め、全国35カ所にある国立公園の魅力向上も進める。岸田文雄首相は観光立国推進閣僚会議で、受け入れ態勢の強化などを指示した。
 19日公表の推計によると、6月の訪日客は単月として最も多い313万5600人。1~6月は累計1777万7200人で上半期として最多になり、政府は年間3500万人を視野に入れる。
 入国手続きの新制度は「プレクリアランス」と呼ばれる。海外の出発空港で飛行機に乗るまでの待ち時間を利用し、申請書類の確認や指紋の照合といった審査を事前に行い、日本に到着後は簡単な手続きだけで入国できるようにする。当面は台湾からの旅行客を対象とし、順次拡大する考え。
 国立公園は、地域の事情に応じて星空観察などの自然体験ができるホテルの誘致、トレッキングや川下りなど野外活動のプロモーション強化を進める。地方空港の就航拡大に向けた財政支援制度の創設を検討する。
 オーバーツーリズム(観光公害)対策も強化。先駆的に取り組むモデル地域に、新たに銀山温泉(山形県)、秩父(埼玉県)、大月(山梨県)、高山(岐阜県)、小豆島(香川県)、那覇(沖縄県)の6地域を追加。各地の事例を生かした指針を年内にまとめる。