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従業員保護 義務化明記 厚労省 カスハラ対策強化で指針


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省の有識者検討会は19日、顧客らが従業員に理不尽な要求をする「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の対策強化に向けた報告書素案を公表した。従業員の保護を企業に義務付けるよう明記。カスハラは小売りやサービス業界を中心に社会問題化しており、安心して働ける職場環境をつくる狙い。来年の通常国会での関連法案提出を目指す。
 素案には、就職活動中の学生らに対する人事担当者などによるセクハラの対策推進も盛り込んだ。就活セクハラを経験した学生らが3割に上るとの調査結果を踏まえた。カスハラ、就活セクハラとも具体的な防止策は今後検討する。
 カスハラの定義として(1)顧客や取引先、公共施設の利用者らが行う(2)言動が社会通念上相当な範囲を超える(3)就業環境が害される―の3要素を挙げた。強い苦痛を与える言動は1回でも該当すると指摘。
 企業に義務付ける対策はセクハラを参考にするとし、相談窓口の整備などを想定しているとみられる。同時に「消費者の権利を阻害しない」とも強調した。