「晴れ風」　東北産ホップ使ったビール　向井　優夏さん　キリンビール

　「１７年ぶりの新ブランドでおいしさを届けたい」。キリンビールが４月に発売したビール「晴れ風」が好調だ。東北産ホップを使い、酸味を抑えるなどの工夫で飲み応えと飲みやすさを目指した。店頭想定価格は３５０ミリリットルで２２５円前後。
　６月末で販売数量は年間目標の６割を超えた。酒税法改正で２０２６年にはビール、発泡酒、第三のビールの税額が等しくなる。「ビール需要が増し、新規顧客も期待できる」と新たな主軸ブランドを立ち上げた。
　独自調査で分かったビールが苦手な理由の「苦さや重さ、酸味」を踏まえた味わいを考案。原料にかんきつの香りが特徴の東北産ホップ「ＩＢＵＫＩ」を使用した。入れるタイミングを計り、過度に香って苦みが強調されないよう工夫。麦芽１００％で雑味をなくし、麦のうまみを引き立てた。
　「仕込みや発酵の工程を見直して酸味を抑えつつ、口当たりがまろやかな飲みやすさを追求しました」。ただ、苦みや酸味はビールの特色でもある。「抑え過ぎないよう、調整するのに苦心しました」
　おいしさ以外の価値も提供したいと、花見や花火といった日本の風物詩を守る活動に売り上げの一部を寄付する取り組みも。缶に印字のＱＲコードなどからできる。「わずかでもビールの恩返しとして支援したいです」。
　　徳島県出身、３３歳。