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中国の補助金 「市場を歪曲」 WTOが警戒強化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ジュネーブ共同】世界貿易機関(WTO)は19日の中国の貿易政策審査会合で、多くの加盟国が「中国の補助金が市場を歪曲(わいきょく)している」として、国家的な支援構造について透明性を高めるよう中国に要求したと発表した。鉄鋼や電気自動車(EV)などの過剰生産に対して先進7カ国(G7)などが警戒を強める中、各国が同様の懸念を共有している状況が改めて浮き彫りになった。
 貿易政策審査は、各加盟国の貿易や経済に関する政策がWTOのルールに沿っているかどうかを監視する仕組み。会合は17日に始まり、19日で終了した。
 中国側は19日、「WTO加盟以来、積極的かつ包括的に透明性の義務を果たしている」と述べた。WTOは会合に際し、EVや半導体などへの財政支援について、中国政府の情報提供が不透明と指摘していた。
 通商筋によると、中国は政府や関係機関の計約40人で構成する代表団で会合に参加した。72の加盟国が中国に1500以上の質問を提出。日本は海産物や重要鉱物の輸出入制限に関して質問した。中国は1カ月以内に回答するという。
 また複数の国は、優遇措置を受けられる発展途上国の地位を放棄するよう中国に求めた。