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中国 11カ月ぶり利下げ 不動産不況で内需刺激


中国 11カ月ぶり利下げ 不動産不況で内需刺激 中国金融政策の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【北京共同=西川廉平】中国人民銀行(中央銀行)は22日、金融機関に資金供給する際の7日物金利を0・1%引き下げ、1・7%とした。金融緩和で景気を下支えする。7日物の引き下げは昨年8月以来、約11カ月ぶり。人民銀の潘功勝総裁は6月、金融政策の運営方法を見直す一環で、今後は政策金利として7日物金利を重視していく方針を示していた。
 中国では不動産不況を背景に内需の不振が続いており、人民銀は「金融面での実体経済への支援を強化する」と利下げの理由を説明した。15日に発表された4~6月期の国内総生産(GDP)は市場予想を下回る前年同期比4・7%増にとどまり、金融政策による手だてが迫られていた。
 金融緩和は企業や家計の借り入れ負担を減らす効果が期待できる半面、人民元安の圧力を高める懸念もある。
 人民銀は同時に、企業向け貸出金利の目安となる「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を0・1%下げて3・35%に、住宅ローン金利の基準となる5年物も0・1%引き下げて3・85%にした。引き下げはそれぞれ11カ月ぶりと5カ月ぶり。
 LPRは主要銀行が優良顧客に提示する金利を基に、人民銀が毎月算出して公表している。人民銀は短中期の政策金利などを通じてLPRの水準を誘導している。
 潘総裁は、今後は短期金利を主要政策金利に位置付け、重視していく考えを示していた。先進国の金融政策に近づける狙いとみられる。中国共産党が18日まで開いた第20期中央委員会第3回総会(3中総会)の決定にも、金融システム改革の推進が盛り込まれた。