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市場不透明感、動揺誘う 日米金融政策会合が焦点


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 25日の金融市場は円相場が対ドルで急伸する一方、日経平均株価が約8年1カ月ぶりの大幅下落で7営業日続落し、荒い値動きとなった。7月中旬以降、日銀の追加利上げ観測を背景に円安基調が反転。先行きが見通しづらくなっていることや、米国の政治情勢の不透明感が投資家の動揺を誘っている。今月30~31日の日米金融政策決定会合まで神経質な展開が続くとの見方も出ている。
 最近の日経平均株価は、7月4日に終値としての史上最高値を約3カ月ぶりに更新。7月11日には初の4万2200円台を付け、過熱感も指摘されていた。このため最近の株価下落は「行って来い」で元の水準に戻っただけとの見方もある。
 野村証券の沢田麻希ストラテジストは、株価上昇の背景には「半導体などハイテク株の上昇に期待が広がった」ことがあると分析。一時的に株価が急落しても、今後発表が本格化する企業の決算発表で業績の堅調さは変わらず「さらに下げる動きにはなりにくい」と予想する。
 一方で、大和証券の林健太郎日米株シニアストラテジストは、株価上昇は外国人投資家がけん引してきたと指摘。7月中旬以降は円相場や米国政治の先行きに不透明感が増し「相場観に迷う投資家が増えている」と話す。日米の金融政策決定会合で方向性がはっきりするまでは不安定な地合いが続く可能性がある。
 最近の円高進行も株価の重しとなっている。みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、日銀が追加利上げに踏み切るとの観測の高まりや、政府、与党の幹部が相次いで利上げに言及したことが影響したと指摘。「一段と円高が進む可能性がある」と話した。