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「世界各国から商品を取りそろえる。トレジャーハンティング(宝探し)のようにお買い物を楽しんでいただける」。沖縄進出を正式に発表した昨年6月の記者会見で、米国系会員制スーパー「コストコ」を運営する日本法人コストコホールセールジャパン(千葉県)のケン・テリオ支社長はそう強調した。
日本国内35カ所目の沖縄南城倉庫店の店舗面積は1万平方メートル余で、800台以上の駐車場を備える。国内各地のコストコと同規模で、大容量の飲食料や日用品、衣料品、家電などを低価格で販売し、タイヤ売り場や薬局、フードコートを併設する。
コストコが扱う商品は3500~3600品目とコンビニ(3千品目)よりやや多く、一般スーパー(1万品目)に比較すると少ない。限定した人気ブランドや単一商品を大量に仕入れてコストを抑え、荷受けした商品はパレット(陳列台)に乗ったまま倉庫型の店内に並べるなど作業を効率化。こうした運営が低価格を実現させていることに加え、在庫の回転率が高く、新商品への入れ替わりの速さが「宝探し」の心理をくすぐる仕掛けを生み出す。
コストコは日本を含め世界14カ国・地域で882店舗(7月16日現在)を展開する。東京経済大の丸谷雄一郎教授(国際マーケティング論)によると、治安の問題が生じたメキシコの一部事例を除けば、コストコはこれまで進出先からの撤退はおろか、一度出した店舗を減らしたことがない。
国際的な展開と同様、1999年の日本上陸後の国内出店ペースは比較的緩やかに推移する。その分「市場選定は非常に厳格」(丸谷教授)で、同時期に日本に進出した外資系のウォルマート、カルフールといった世界的スーパーが早期撤退や苦戦を強いられる中で、着実に店舗網を広げてきた。
丸谷教授は「ゆっくりでも条件が整ってから出店するのがコストコの戦略だ」と指摘。「売り上げより会費で利益を上げるのがビジネスモデルで、会員ファーストの方針が重視される。沖縄では観光客、米軍関係者にも需要はあるだろう」と付け加えた。 (當山幸都)
(木―土曜掲載)
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厳格な市場選定で拡大 大量仕入れでコスト抑制 コストコ
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琉球新報朝刊
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