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FRB議長「9月利下げも」 金利維持、景気配慮示す


FRB議長「9月利下げも」 金利維持、景気配慮示す 米国の政策金利
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 【ワシントン共同】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日、連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を5・25~5・5%で据え置くことを決めた。金利維持は8会合連続。インフレの鈍化傾向を背景にパウエル議長は記者会見で「早ければ9月の会合で利下げを検討する可能性がある」と述べ、次回会合で利下げに踏み切る可能性を示した。
 FRBは声明で、物価上昇率を2%まで下げる目標に向け「ここ数カ月で、さらにいくらかの進展があった」と判断を進めた。過去の声明で「インフレのリスクを注視する」としていた部分は「物価と雇用に対する両面のリスクを注視する」と変え、高金利による景気への悪影響にも配慮する姿勢を示した。
 FRBが6月に公表した経済見通しは、年内に1回の利下げを見込む。市場では9月会合で利下げするとの見方が大勢。実際に利下げに踏み切れば、新型コロナウイルス感染拡大を受けて緊急利下げした2020年3月以来となる。
 市場の一部では次回の利下げ幅について通常の2回分に当たる0・5%になるとの観測もあるが、パウエル氏は「今考えることではない」と言及を避けた。「今後の会合については何も決めていない」とも強調した。
 11月の米大統領選の共和党候補であるトランプ前大統領は選挙前の利下げをけん制している。利下げは景気を下支えする効果があるため、現政権に有利に働くと考えているとみられるが、パウエル氏は「政治日程のような要因に対処するためにやり方を変えることはない」と強調した。