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地下水確保へ稲作支援 TSMC、熊本のコメ買い取り


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県菊陽町に建設した工場の運営を担う子会社JASMは6日、地元で生産されたコメを社食で使うことなどを通じ、地下水の確保にとって重要な稲作の推進を図る協定を同町などと結んだ。
 半導体生産には大量の水が必要で、TSMCは地元の地下水を利用する予定。水田には地下水を蓄える効果があり、JASMの堀田祐一社長は「水稲作を奨励し、地下水保全と農業の振興を図る」と意義を強調した。
 JASMは菊陽町など白川中流域で栽培された年間約60トン以上のコメを社食用に買い取る。流通価格より上乗せして買い支える予定だ。
 年内に量産を開始するTSMC第1工場は、年約310万トンの地下水を取水する予定。JASMは取水量と同等以上の地下水を保全することを目標としているが、水源のほぼ全量を地下水に頼る地元では、水量の減少に懸念が広がる。
 今回の協定では、コメを買い取ることで100万トン分の地下水の保全に貢献したい考え。