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  疑心暗鬼の買い優勢 荒い値動き続く恐れ 東証株、急反発


  疑心暗鬼の買い優勢 荒い値動き続く恐れ 東証株、急反発 株価や円相場に影響を与えそうな日米の経済日程
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日経平均株価が急反発し、過去最大の上げ幅を記録した。急降下から一転。底値を打ったとみた投資家の買いが優勢となった。しかし、相場を大きく揺さぶりそうな経済関連の日程を控え、東京株式市場を覆う疑心暗鬼は晴れない。荒い値動きが続く恐れがある。
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釈然とせず

 「戻り方に正直、驚いている」。6日は日経平均株価の終値が前日比3217円高となり、上昇率は10・2%に達したが、欧州系資産運用会社アムンディ・ジャパン(東京)の石原宏美氏は釈然としない思いが残った。
 東京外国為替市場では、日本からの輸出に逆風となる円高ドル安が一服したが、日本は利上げ方向、米国は利下げ方向にある金融政策の違いから、為替相場は円高ドル安に向かいそうだ。石原氏は日本の輸出企業が「業績予想を下方修正するリスクがある」とみる。

円高進行も

 投資家の関心は8月中旬から9月下旬に予定される日米の経済日程に向いている。特に注目度が高いのが、8月22~24日に米西部で開かれる恒例の経済シンポジウムだ。FRBのパウエル議長が講演する見通しで、インフレ退治に自信を示し、利下げの時期や幅を示唆する可能性もある。
 ソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志氏は「米国の利下げペースが市場想定より速まれば、円高ドル安が進行し、日本株にはマイナス要因となる」と指摘する。
 9月17、18日にはFRBが金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)があり、日銀は19日から2日間、金融政策決定会合を開く。パウエル氏と日銀の植田和男総裁の発言も金融市場の動向を左右しそうだ。