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サイバー攻撃 特損36億円 25年3月 KADOKAWA予想


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 出版大手KADOKAWAは14日、6月に公表した大規模なサイバー攻撃によって2025年3月期に36億円の特別損失を計上する見込みだと発表した。動画制作者への補償やシステム復旧費用に充てる。書籍出荷減少や動画サービスの停止による売上高への減少影響は84億円と見積もった。
 25年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、純利益を従来の134億円から97億円に引き下げた。売上高はサイバー攻撃による減少を他の分野でカバーするとして2713億円を据え置いた。
 KADOKAWAは6月8日に動画配信サイト「ニコニコ動画」が大規模なサイバー攻撃を受けてサービスを停止したと公表。その後、複数のシステムで障害が発生し、書籍の出荷にも影響が出た。社員や取引先などグループ全体が保有する個人情報が漏えいし、ロシア系ハッカー集団が犯行声明を出した。
 書籍の出荷は8月中旬以降にほぼ通常の水準に回復し、ウェブサービスについても9月の全面復旧を見込んでいる。
 同時に発表した24年4~6月期連結決算は、サイバー攻撃の影響による特別損失を約20億円計上したことが響いて、純利益が前年同期比10・1%減の34億円だった。