有料

チーズ消費、1割減31万トン 23年度、ピーク比 コロナ契機


チーズ消費、1割減31万トン 23年度、ピーク比 コロナ契機 チーズの需給推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 チーズの2023年度の総消費量がピークだった19年度に比べて11・4%減の31万5458トンだったことが17日、分かった。新型コロナウイルス禍の20年度から前年度比で4年連続の減少となった。チーズは輸入品の占める割合が大きく、円安による値上がりが影響した。国産チーズの業界団体は需要喚起に向けた取り組みを進めている。
 チーズの総消費量は1990年度に15万3325トンだった。19年度は35万5996トンと5年連続で最高を更新。増加傾向だったチーズの消費はコロナ禍以降、業務用の需要が落ち込み国際相場も上昇したことから減少に転じた。
 23年度の内訳は、ナチュラルチーズが19万4414トンで約6割、プロセスチーズが12万1044トンで約4割を占める。プロセスチーズに加工する分も含めたナチュラルチーズの輸入量は前年度比5・2%減の24万3452トンで、国産生産量は2・2%減の4万5146トンだった。嗜好(しこう)品とされるチーズは、食品価格高騰に伴う節約志向から買い控えも生じた。
 農林水産省は国内のチーズ工房の冷蔵室、熟成庫といった製造施設や機械の導入に補助金を出すなど、生産性向上を支援している。
 国内のチーズ工房でつくる日本チーズ協会(東京)は国産チーズの一層の普及を目指し、衛生管理や原材料などの基準を定めた認証制度を今秋ごろに導入する。工房を審査する「ベーシック認証」とチーズを審査する「スペシャリティ認証」を設け、審査を通れば認証マークを店頭に掲示できる。担当者は「安心して日本のチーズを買ってもらいたい」と強調する。