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ネット炎上、AIで回避 公開前、投稿者に注意 投稿サイト「note」


ネット炎上、AIで回避 公開前、投稿者に注意 投稿サイト「note」 AIによる「炎上」リスク検知のイメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 インターネット投稿サイトの「note(ノート)」は人工知能(AI)を使い、ネット上で批判を集める「炎上」につながりかねない記事を公開前に検知し、投稿者に注意を促す機能を年内にも導入する。炎上や誹謗(ひぼう)中傷が社会問題となる中、AIでリスクを回避する。法律相談サービスを手がける「弁護士ドットコム」の監修を仰いで開発する。ノートが19日までに発表した。
 誰かを強く攻撃したり、差別的だったりする記述などをAIが事前に検知する。そのまま投稿しようとすると「攻撃的すぎるかも」「誰かを傷つけていませんか?」といったメッセージを表示し、注意喚起することを検討。将来、こうした仕組みを他のメディア運営会社などに販売することも視野に入れる。
 ノートの投稿サイトは個人や企業が記事や写真、漫画を自由に掲載できる。閲覧回数によるランキングや広告を掲載しないのが特徴で、2014年の開設以来4千万件を超える投稿があった。
 ノートの津隈和樹note事業本部長は「利用者を守ることはわれわれの重要な責任だ」と強調する。その上で「表現の自由に寄り添うことも重要であり、慎重に進める」と話す。
 開発に当たり、弁護士コムが自社サービスを通じて蓄積した法律相談のデータを類型化し、個人情報を除いたものをAIの学習で使う。同社プロフェッショナルテック総研の新志有裕部長は、炎上を起こさせないようにする「未炎(みえん)」の取り組みが大事だとし「IT企業で連携できることは連携したい」と述べた。
 ノートと弁護士コムは、トラブルに巻き込まれた投稿者が無料で相談できる自動対話システム「チャットボット」も整備する方向だ。