有料

テレビ液晶製造に幕 シャープ子会社生産停止


テレビ液晶製造に幕 シャープ子会社生産停止 生産を停止したことが明らかになったシャープの「堺ディスプレイプロダクト」=6月、堺市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 シャープは21日、テレビ向け大型液晶パネルを手がける完全子会社「堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)」での生産を完全に停止したと明らかにした。国内でのテレビ向けパネルの製造は、中国や韓国など海外勢との価格競争に敗れ、SDPの停止で幕を閉じた。
 今後は大型液晶パネルに半導体部品などを組み込んで、テレビ向けディスプレーとして製品化する。この製品は2025年3月末までに取引先への販売を終了する計画だ。SDPでは、今年6月からパネルの生産を縮小していた。約800人の従業員のうち、パネルの製造に従事していた500人規模の早期退職がすでに決定している。年齢に応じて、月収の最大24カ月分の加算金を支払うという。
 シャープの沖津雅浩社長は、9日に開いたオンラインの決算会見で「パネル価格が下落する予想が出ているので、止めて良かったという結果になると思う」と話していた。SDPの跡地を巡っては、ソフトバンクと人工知能(AI)向けデータセンターの設立を目指して協議が進んでいる。ソフトバンクは工場の約6割に当たる土地とパネル工場や電源・冷却装置などを取得する計画。データセンターは25年中の本格稼働を目指している。