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川重もエンジン不正 船舶向け 673台データ改ざん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 川崎重工業は21日、船舶向けエンジンの検査で燃費データを書き換える不正が判明したと発表した。2000年以降に起工した船舶に搭載された674台を調査し、673台で改ざんを確認した。IHI子会社などでも同様の不正が発覚し、国土交通省が調査を要請していた。国交省は対象エンジンの製造拠点である川重神戸工場(神戸市)に22日に立ち入り調査をする。
 川重によると、窒素酸化物(NOx)の排出量に影響を及ぼしている可能性がある。国際海事機関(IMO)がNOx排出量の規制基準を定めており、適合状況を確認する。安全性に影響する問題は確認されていないと説明している。業績への影響は精査中だという。
 国交省はNOx排出量基準の順守が確認されるまでの間、順守を示す証書の交付を行わない方針。川重に9月末をめどに判明した事実を報告するよう求めた。川重は外部有識者で構成する特別調査委員会を速やかに設置し、事実関係の究明や再発防止策を検討する。
 改ざんのあったエンジンはいずれも商船向けで、日本籍向けが27台、海外籍向けが646台。顧客が求める仕様を満たす目的で、検査装置を操作して燃費を良く見せた疑いがある。