有料

コメ17%高騰、20年ぶり 昨夏の猛暑で需給逼迫 電気代も43年ぶり伸び


コメ17%高騰、20年ぶり 昨夏の猛暑で需給逼迫 電気代も43年ぶり伸び スーパー「アキダイ」で品薄となったコメの商品棚=23日午後、東京都練馬区
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 総務省が23日発表した7月の全国消費者物価指数でコメ類が前年同月比17・2%上がり、20年ぶりの上昇率となった。昨夏の猛暑でコメに高温障害が発生し、市場に出回る量が減ったことや、今年の新米が本格的に流通していないことから需給が逼迫(ひっぱく)して価格が高騰した。電気代も政府の補助金終了に伴い、22・3%上昇して43年ぶりの伸び率となり、物価高による支出増が家計を圧迫する状況が続いている。
 生鮮食品を除く7月の指数(2020年=100)は、2・7%上昇の108・3となった。伸び率は3カ月連続で拡大した。22年7月に91・5だったコメ類の指数は111・3まで上昇。現在ではスーパーなどの小売店で品薄になっているところもある。
 コメ類のうちコシヒカリは15・6%、コシヒカリを除くうるち米は18・0%それぞれ上昇した。コメ類全体では、04年4月の19・5%以来の上昇率となる。供給不足に加え、インバウンド(訪日客)による外食需要の高まりで消費も回復し、需給が引き締まって値上がりした。関連品目のおにぎりは5・7%、せんべいも16・1%上がった。
 前回大幅に上昇した04年当時は、03年の冷夏による生育不良の影響が続きコメの流通量が落ち込んでいた。総務省は、コシヒカリとそれ以外の品種で変動に差があるとして、それぞれを区別して指数を公表している。
 7月の電気代は、第2次石油危機の影響を受けた1981年3月の41・2%以来、43年ぶりの大幅な上昇となった。都市ガス代も10・8%上がった。物価高の負担抑制を狙った政府の支援策が6月請求分でいったん終了し、価格が上昇した。
 生鮮食品を除く食料は2・6%上昇したが、6月の2・8%から伸び率は鈍化した。宿泊料や携帯電話の通信料も同様に上がったが、上昇幅は縮小した。物価上昇を反映して住宅や自動車の保険料も上がった。