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米9月利下げ事実上明言 FRB議長「時は来た」


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 【ジャクソンホール共同=建部佑介】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日の講演で、金融政策について「調整の時が来た。方向性は明確だ」と述べ、連邦公開市場委員会(FOMC)の次回9月会合で利下げすることを事実上、明言した。実施すれば2020年3月以来4年半ぶりとなる。「物価上昇率が持続的に(目標の)2%に戻るとの自信を深めている」とも述べた。
 外国為替市場のドル円相場は講演前に1ドル=146円台半ばで推移していたが、講演後は1ドル=144円台前半まで2円以上も円高ドル安が進んだ。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均も利下げ期待からほぼ全面高となった。週明け26日の東京株式相場や外国為替相場など市場の動向も焦点となる。インフレ抑え込みのため高金利政策が続いた米国の政策転換は、世界経済にも影響を与えそうだ。金融市場では9月の利下げが確実視されており、利下げ幅を巡って通常の0・25%か2回分に当たる0・5%で見方が分かれる。パウエル氏は利下げの時期や幅については「今後のデータ、見通し、リスクのバランスによる」とし、経済指標次第だとの立場を改めて強調。「政策金利を適切に縮小すれば、力強い労働市場を維持しながら2%の物価上昇率に戻ると考える十分な理由がある」と政策運営に自信を見せた。足元の物価動向については「上昇率は大幅に低下した」と指摘。失業率上昇については「就業希望者の大幅な増加と、急激な求人の増加が減速したことを反映している」とし、問題視しなかった。