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円急伸 一時143円45銭 日米金利差縮小見込む


円急伸 一時143円45銭 日米金利差縮小見込む 円相場の推移(26日午後5時現在)
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 週明け26日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで急伸し、一時1ドル=143円45銭を付けた。約3週間ぶりの円高ドル安水準となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が9月に利下げすると事実上明言した一方、日銀の植田和男総裁は追加利上げの時期を探る方針を強調。投資家が日米の金利差縮小を見込み、円買いドル売りの動きを強めた。
 FRBは長引く物価高対策で高い金利水準を維持し、日銀は景気を下支えするために大規模な金融緩和策を続けてきた。円に対して投資に有利なドルが買われてきたが、日米の金融政策が異なる方向に進むことが明確になり、一方的な円安ドル高の修正が進む可能性がある。
 午後5時現在は前週末比1円92銭円高ドル安の1ドル=143円89~92銭。ユーロは1円24銭円高ユーロ安の1ユーロ=160円89~93銭。東京株式市場では26日、円高進行が自動車など輸出関連企業への逆風となることから、日経平均株価(225種)の下げ幅が一時500円を超えた。終値は前週末比254円05銭安の3万8110円22銭。
 パウエル氏は23日の講演で、金融政策について「調整の時が来た」と述べ、連邦公開市場委員会(FOMC)の次回9月会合で利下げする可能性を強く示唆した。
 植田氏は同日、衆参両院の閉会中審査で、2%の物価安定目標の実現が確かなものになれば「金融緩和の度合いを調整する」と述べ、利上げを進める方針を示した。物価見通しを巡っては、8月上旬の株価の乱高下などが「どういう影響があるかを丹念に見る」と答えた。