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日生 目標到達型廃止へ 外貨保険、乗り換え多発


日生 目標到達型廃止へ 外貨保険、乗り換え多発 外貨建て保険の販売額推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 外貨建て保険が短期間で解約され、同じ顧客に同じ商品を売る「乗り換え販売」が多発していた問題で、日本生命保険が問題の一端とされる「目標到達型」と呼ばれるタイプの商品を来年3月末で廃止することが27日、分かった。金融庁が「顧客にとって経済合理性があるとは言えない」として生保業界に改善を求めていた。競合他社も追随する可能性がある。
 外貨建て保険は、顧客が払い込んだ保険料を日本の円と比べて相対的に高金利の米ドルなどで運用する。銀行などが販売して人気になっている。
 目標到達型は、あらかじめ設けた運用成績を達成すると自動的に利益を確保し、円建て保険に移行するタイプの商品だ。歴史的な円安もあり、円に換算した利益が膨らんで短期で目標に到達し、解約するケースが相次いでいる。目標を引き上げれば解約しないで済むにもかかわらず、解約して新たに契約を結ぶよう顧客に働きかけることで販売手数料の「二重取り」が起きているとして、金融庁が問題視していた。
 日生は目標到達型の商品を廃止する理由を「中長期での運用効果や保障メリットを享受しづらい実態となっている」と説明した。
 日生は銀行に支払う手数料体系も見直し、契約初年度の手数料を引き下げる。生保各社の手数料体系は現在は初年度が高く、2年目以降に大幅に低くなる「L字型」が主流で、銀行にとっては2年目以降に受け取る手数料が低くなる仕組みだ。銀行が顧客のアフターフォローを重視するよう促す狙いがある。