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アニメ市場3000億円突破 帝国データ調査 23年、ヒット作恵まれる


アニメ市場3000億円突破 帝国データ調査 23年、ヒット作恵まれる 国内のアニメ制作業界の市場規模の推移
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 国内のアニメ制作業界の市場規模が2023年に過去最高の3390億2千万円となったことが27日、帝国データバンクの調査で分かった。前年比22・9%増で、初めて3千億円を突破した。新海誠監督のアニメ映画「すずめの戸締まり」などヒット作に恵まれたほか、動画配信の普及で多様な視聴者を取り込んだ。
 テレビや映画、動画配信向けなどのアニメを制作する国内企業317社の売上高を集計した。これまでの最高は19年の2873億円だった。視聴方法の主体がテレビから配信に移り、海外でのアニメ人気も反映した。
 映画では、東日本大震災の記憶をテーマの一つにした「すずめの戸締まり」(22年11月公開)のほか、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」(23年7月公開)も話題となった。興行収入の増加が制作会社の業績を押し上げた。
 帝国データは、アニメ制作を直接受託して完成させる元請け企業は収益が改善しているが、原画や背景、特殊効果などの専門分野を担う下請け企業の43・1%は23年の損益が赤字だったと分析している。