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ロ系ハッカー「交渉決裂」 KADOKAWA障害


ロ系ハッカー「交渉決裂」 KADOKAWA障害 KADOKAWAへの再攻撃を示唆する、ブラックスーツの闇サイト画面
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 出版大手KADOKAWAが大規模なサイバー攻撃により、システム障害や個人情報漏えいの被害を受けた問題で、犯行声明を出したロシア系ハッカー犯罪集団が27日までに共同通信の取材に応じ、「交渉は決裂した」と主張した。「KADOKAWAに800万ドル(約11億円)を要求したが、支払いに応じなかった」とコメントした。
 KADOKAWAの情報システムに対し、現在も侵入経路を確保しているとほのめかした。「復旧した後も、同じ問題に繰り返し直面するだろう」と再攻撃を予告した。
 セキュリティー企業、トレンドマイクロの岡本勝之氏は「虚言かもしれないが、最悪の事態に備えてシステムの再点検が必要だ」と指摘。KADOKAWAは「警察捜査中の事案で、コメントできない」としている。
 犯行声明を出している「BlackSuit(ブラックスーツ)」がメールで回答した。システムに最初に侵入したのは今年5月で、盗んだデータを6月7日に暗号化したと説明。入手した脅迫メールによると、8日未明にグループ会社の幹部ら約20人に対し、金銭を要求していた。
 盗んだデータはすべて闇サイトに公開したといい、KADOKAWAがブラックスーツに金銭を支払ったとの一部報道については「何も支払われなかった」と否定した。
 ブラックスーツは2023年に活動を開始。身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」を使ってデータを盗み、システムを暗号化して使用できなくするハッカー犯罪集団だ。岡本氏は「計画から侵入までメンバーだけで実行し、金を払うまで執念深く攻撃を続ける」と分析している。