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アウトレット 円安で好調 訪日客、購買意欲高く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 全国各地に展開するアウトレットモールが好調だ。歴史的な円安ドル高基調を背景に、海外から日本にやってくるインバウンド(訪日客)の購入意欲が高く、売り上げを押し上げている。国内では物価高で節約志向が強まるが、ブランド品を割安で買える強みは日本の消費者にも受けた。
 三菱地所の子会社が運営する国内最大級の施設「御殿場プレミアム・アウトレット」(静岡県御殿場市)は、2023年度の売上高が前期比27%増の1240億円となり、過去最高を記録した。
 同社によると、訪日客は国別では香港、台湾、中国、タイなどのアジア勢がほとんどで、旅程に組み入れ観光バスで来る場合も多いという。海外の高級ブランドや時計、真珠などの宝飾ブランドが売れ筋だ。円安の後押しもあり、1回のレジでの支払金額は新型コロナウイルス禍前の1・5倍に増えた。神戸三田(神戸市)やりんくう(大阪府泉佐野市)などでも開業以来の売上高となり、全10施設の合計は4069億円と初めて4千億円を超えた。三井不動産が全国12カ所で展開する「三井アウトレットパーク」でも、売上高が23年度に計約3300億円と過去最高を記録した。
 足元の為替水準はやや円高に振れているものの、今後の見通しについて業界関係者は「まだ円安という状況は変わらない。インバウンドを含め、引き続き順調に推移する」と予想している。