来年度概算要求　１１７兆円　２年連続最大　金利上昇、借金払い増　防衛、社会保障費も

　財務省は３０日、２０２５年度予算編成について各省庁からの概算要求を事実上締め切った。基本的な政策に使うお金を管理する一般会計の要求総額は、２４年度の１１４兆３８５２億円を上回る１１７兆円超に膨張し、２年連続で過去最大を更新する。金利上昇に伴い国の借金である国債の利払い費がかさんだほか、防衛力強化に伴う防衛費、高齢化による社会保障費が膨らんだ。　（２、３、５、９面に関連）
　要求総額が１１０兆円を超えるのは４年連続。政府は１２月下旬に当初予算案をまとめる。
　財務省は国債の返済や利払いなどの国債費として、当初予算ベースで最大の２８兆９１１６億円を計上した。日銀の金融政策修正に伴い、金融市場の長期金利が上昇。利払い費の計算で用いる想定金利を１・９％から２・１％に引き上げたことが影響した。
　防衛省の要求額は８兆円の大台に乗り、過去最大となった。防衛力の抜本的強化に向けて、２３～２７年度に計約４３兆円の防衛費を投じる計画に沿ったもので、他国のミサイル基地などを破壊する反撃能力（敵基地攻撃能力）にも活用する長射程ミサイルの開発と製造施設整備などを盛り込んだ。
　厚生労働省も３４兆円を超えて最大となった。高齢化に伴い社会保障費が増大。医療介護サービスの人材確保や、認知症対策にも重点的に予算を求めた。
　文部科学省は公立学校教員の給与に残業代の代わりに上乗せ支給している「教職調整額」を現在の月給４％相当から１３％に増額することを要求に盛り込んだ。国土交通省は防災対策強化などに力点を置いた。